やっぱりピンボケな共産党!「第2次補正案」に対するしんぶん赤旗の【主張】


令和2(2020)年5月30日


 一昨日私は、共産党は第2次補正予算に賛成の立場からアプローチしていると批判し、「寝返ったしんぶん赤旗」と書いたが、少し言い過ぎたと反省していたけど、昨日(5月29日)のしんぶん赤旗を見てやっぱり共産党のピンボケは、寝返ったと言われても仕方がない対応である。

しんぶん赤旗の一面トップは、「2次補正 大きな穴・スピード・予備費」

          「三つの問題をただす論戦を」「志位委員長が表明」という記事を載せた。

 やっぱり共産党は一昨日の記事がまずいことに気づき、軌道修正をしたのかと思って読んでみたが、残念ながら合格点は取れない【主張】である。
★一昨日と同じようにまずこの第2次補正の評価から始まる。
  「世論と論戦におされ、医療支援、家賃支援、雇用調整助成金の上限額の引き上げなど一連の拡充策
  が盛り込まれたことは前進であり、国民の声が政治を動かした結果だ」評価しました。
★問題点は
 ☆第一は、「大きな穴」としては、学校への支援、学生に対する支援を挙げている
 ☆第二は、「スピード」としては、「何もかも遅れている。」
 ☆第三は、「予備費」に10兆円あげている。
と書いています。

安倍首相はほら吹き男爵かそれとも偉大な政治家(「空前絶後の規模」)か?

 この補正予算の規模で本当に国民が救われるのかという観点からの発言がない。安倍首相はこの第2次補正予算の発表に当たっては、「空前絶後の規模」という言葉を使っています。ちなみに第1次補正予算の発表に当たっては、「世界的に見ても最大級の経済対策」と胸を張って言いました。これが「嘘」だったことは既に明らかになっていますが、今回は本当に国民の生活を守る額になっているのか、それともこの予算の中に不透明な予算が含まれていないか検証する必要があります。
 補正予算に対しては、一般紙は既に様々な批判を挙げています。東京新聞は黒川氏の訓告処分にもいち早く対応しましたが、今回も怪しげな予算があると指摘しています。「中小企業給付 遅れ続出」実際の給付作業は、大手広告会社の電通や人材派遣会社のパソナが設立した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に業務委託され、約2兆3千億円の給付用資金を扱い、国から7百69億円の委託料が払らわれています。同社は給付遅れに「回答は差し控える」コメントを拒否しています。
 何が問題か、この「サービスデザイン推進協議会」という会社は、アベノマスクをペーパーカンパニー的な会社に委託したのと同じ構図であり、この中小企業給付もまた怪しげな会社に7百69億円も出しています。マスクの時と同じように、電話番号は非公式、さらに登記所在地は無人?という会社です。さらに怪しいのはこの会社は竹中平蔵が会長を務めるパソナと電通が絡んでいます。竹中氏は政府の審議会等に入り込み、自社の利益になる方向へ議論を常に誘導しています
 第2次補正については、先にも述べましたが、本当に必要なところに手当されたのか、必要な額が用意されたのかの評価が必要です。毎日新聞ではいろいろ問題点を指摘しています。もともと第2次予算案は「真水」と言われる部分は31兆余りであり、政府は事業規模という数字を使い1次補正と合わせて233・9兆円と主張しています。
 元大蔵官僚であった高橋洋一氏や、内閣官房参与であった京都大学の藤井聡氏や自民党の若手議員をまとめている安藤裕議員さらには右翼的潮流のチャンネル桜の水島総氏らは、「真水」で100兆円さらには消費税のゼロか5%が必要だと主張されておられます。
 共産党はこのコロナ危機に対していくらの補正予算が必要かその財源をどこから持ってくるかの方向性を全く示していません。ですからそれでは「不十分だ」という発言ができません。

何が問題か?(毎日新聞は何を主張しているか)

 毎日新聞の主張を少し拾うと、医療関係者「不十分」と中見出しに上げています。また営業自粛で収入が激減した販売店や飲食店も多く、これでは不十分と言っています。さらに毎日新聞が鋭いのは、第一次補正で中小・小規模事業者への融資を柱に事業規模で総額45兆円の資金繰り支援を講じてきた。これを第2次補正で140兆円規模に拡充しており、大企業も対象とする政府系金融機関の融資(6.5兆円)や、返済の優先順位が低く資本とみなされる「劣後ローン」も活用する資本増強策(12兆円)も新たに加えた。と報道している。
 これら視点が赤旗にはまったくなく、毎日新聞は「企業の内部保留に当たる利益剰余は19年3月末時点で463兆円に達しており、多くの大企業は直ちに資本増額が必要な事態ではない。」と主張している。
 大企業の「内部留保金」については、5月20日(「5月18日赤旗志位委員長の発言と水野和夫氏の論文を比較する。」中で書いた。)少し引用すると、水野和夫氏はこのコロナ禍での必要予算を132兆円とみている。(計算の根拠は、リーマンショック後大企業は危機に備えて内部留保金を大幅に増やし263兆円上澄みした。このお金は本来従業員と預金者に支払うべきものだから、この緊急時に263億円の半額の132兆円を吐き出すべきだと主張)彼は必要な金額と、どこから現資を得るかを明確にしている。
 毎日新聞は、この内部留保金を吐き出せとは言っていないが、これだけの体力があるのだから、大企業は引っ込んでおれ、中小・零細企業に対する手当が最優先だと主張している。この主張が共産党にはまったくない。

共産党が全くダメなことを自ら見せたのは5月29日付赤旗の【主張】である。


 この文書の書き出しで、第2次補正予算の問題点で志位委員長が三つの視点で批判したと述べた。それは、「大きな穴」「スピード」「予備費」の三点であったが、共産党はその中で何を最も重視しているのかと思ったが、意外や意外「スピード」だった。
 最近加藤厚労相が、コロナ患者の受け入れに制限を掛けていたが、それを追及された際に、いやあれは国民や保健所が間違って理解した。「誤解」が原因だと主張した。これは釜萢敏氏(感染症対策専門家会議)も同じ発言をしたが、安倍応援団で有名な辛抱治郎氏もこれを聞いた時に椅子から転げ落ちそうになった。と言ったが、私も赤旗の【主張】を見たとき同じような感覚になった。(もう終わりだなと思った。)

新型コロナウイルス問題での課題は、「一刻も早く国民に支援を届けよ」か?(赤旗【主張】)

 何が言いたいのか、政府の第二次補正予算の問題は、スピードが大事だという主張に対する批判だ。正確に言うと「第2次補正予算」「一刻も早く国民に支援を届けよ」と書いています。確かに第一次補正予算の目玉である「アベノマスク」や「一律10万円の給付」が国民の手にまだわたっていない。私はマスクは、数日前に手に入れたが10万円に当たっては申請書類すらまだ手に入らない。このスピード感の無さには驚くが、これは安倍内閣の責任では無く、各自治体の能力の無さである。(私などは勘ぐるたちだから、行政は順法闘争をして安倍総理を意識的に卑しめているのではと思ってしまう。)私も行政にいたから、あんな申請用紙の送付に2〜3日もあればできるのに何をしているのかとは思ってしまうが、この怒りは国民の中にも大きくあると思うが、これは単に地方自治体の能力の無さを示しているに過ぎない。近隣市の寝屋川市が2重に10万円を送ったという話など、まともに仕事をしていたらそんな間違いは一切起こらない。 

国民に寄り添うのが共産党の役割

 赤旗の【主張】を見て、突っ込みどころはここ(スピードか)と本当にびっくりした。(これは漫才のネタにもある手法だ)本質は何か、それが一番大事である。一体どれだけの予算が必要か、その予算が本当に困っている人に行き届いているかを見守るのが共産党の役割だろう。確かに早いに越したことはない。しかしこれは事務手続き上のミスであり、安倍内閣のミスではない。
 唯一言えば、麻生氏が10万円の給付金はすべての国民に給付するのではなく、ほしいと手を挙げた人に給付するとしたため、事務が煩雑になって遅れていることは事実だが、すべての住民に申請書を送る業務はそう難しい事務ではない。行政は住民票に基づき、選挙のはがきや、国民健康保険証や税金の通知書等を送っている。これは必要な人に送るし記載すべき内容も個々に異なり、請求の金額等も違う。今回の事務は住民基本台帳に記載されている者すべてに同じ用紙を送れば済む話なのに、なぜこんなに遅れるのか全く理解ができない。

私は怒りを組織すべきだと言ったが、この怒り(遅い)は本質に繋がらない。

 本来、怒るべきは、大学生の2割がこのままでは生活が維持できず、大学をやめようか悩んでいるのにそこに補償せず、大企業が山ほど内部留保金を持っているにも関わらず、手厚く保護しようとしている安倍政権の国民不在の政策を暴き、怒りを組織することが共産党の役割だ。確かに遅い、遅すぎる、しかしこの怒りを組織してもどうにもならない。地方自治体の事務能力が問われているだけである。
 どうしても遅いということから突っ込みたいのであれば、竹中氏が主導する「一般社団法人『サービスデザイン推進協議会』」を追及すべきだ。ここは不正なお金が流れていると思われる。先のマスクの「ユースビオ」と同じ構図だ。会社の実態が無いところと契約している。そんな会社だから事務が進んでいない。視点を安倍内閣の悪政との関連でしっかり批判すべきだ。


追記:共産党は「スピード」にこだわっているようだから、それは地方自治体の問題だという事を説明しておきたい。
  テレビで放映されてされていたが、10万円の支給が決まった途端に支給した市町村があった。工夫の問題である。おそらく市民の方はあれは小さい自治体だからできたと思われていると思いますが、大きな自治体でも2〜3日で交付する方法がある。地方自治体は選挙事務を行っているが、あの方式を取れば数日で配布できる。この間学校は休みであり体育館の使用はできるので、選挙と同じように体育館に出向き、町名のアイウエオ順の台帳を備え、選挙の際に発送する入場券のようなハガキを送付し、それと突合して1人10万円の現金を直接渡せば良いだけである。(送ったハガキの番号と突合し、生年月日等の確認をすればそれで支給できる。選挙はその方式で行っている。その方法でいくら不正が出るか?、恐らく一交付場で1件も出ないと思う。それくらいのリスクは負うべきである。その決断が出来ない。・・・・・早いという利益は、幾らかのミスより価値が大きいのである)
 必ずそんな事をすれば、不当に取得する奴がいると主張する人がいて壊されるが、寝屋川の様に現在のやり方でもミスはある。会場でも人が溢れ混乱すると思われるが、選挙は20歳以上の人たちだけであり今回は全市民だから混乱すると思う人もいると思うが、選挙は個人単位、今回の給付は世帯単位なので、会場に来る人は選挙より少ない。
 3日間くらい用意し、はがきに支給日を書いて混乱をさけ実施すれば上手く行くと思おう。その際指定した日と違う人を追い返すのでは無く、それを受け入れれば上手く行くと思う。警備会社等を一定雇う必要が生じるかも知れないが、素早い措置で歓迎されると思う。これぐらいの工夫が有っても良いのではないか。
 極端な話、10万円をくれとナイフを持って現れた人がいた。その場合でもその人の情報を聞き、合っていたら支給したら良かったのにと私は思っている。彼にとってはその10万円がどうしても必要だったのだ。行政側の不手際で支給が遅れているのだから、行政はお詫びして支給すべきだ。5月の8日には支給した自治体もある。何をもたもたしているのか私は全く理解できない。