志位委員長が米国に出発(7/3赤旗一面トップ見出し)何が言いたいのか???


平成29(2017)年7月6日


志位委員長がなぜトランプに会うの???

 赤旗見出しを見てビックリした。「志位委員長が米国に出発」と書いている。なぜ、トランプン氏に会いに行くのかと思ったが、赤旗は「米国」という言葉を単なる場所として扱っている。志位氏の渡航目的は「核兵器全面廃止を目指す国連会議」に参加するためである。(注1)

注1:例えば、一般紙は「安倍総理は5日午後、G20サミットに出席するため羽田を出発」と書いてい
   ます。行先を国名で表さず、会議名で書いています。

 通常政治家が「〇国へ」と書く場合は、相手国の政治家のトップと会うことを意味している。単純に場所として「〇国」へ行くことを表さない。「〇国へ」という言葉は、政治的交渉を行う場合に使うのが通常である。我々一般市民が「米国へ」と言えば場所を表しているが、政治家が「〇国へ」は、当事国との交渉を表すものとして使われる。
 赤旗のこの大きな見出し『志位委員長が米国に出発』は、なんとも政治的センスのない見出しだ。

加計氏安倍さんと親しい”

 当日の一面にはもう一つおかしな見出しがある。「加計氏安倍さんと親しい」という大きな見出しである。日本国民なら加計氏と安倍首相が親しいことは、もう誰もが知っている。こんな当たり前のフレーズが赤旗の一面の見出しになるのか疑問に思う。森友・加計疑惑の追及の現状を把握できていない、何か月も前の新聞を見る思いだ。
 さらには、この間の赤旗で気になるのは主語の使い方である。「加計氏安倍さんと親しい」
という言い方は、加計氏が主役で、加計氏のお友達が安倍さんという表現である。この見出しにはサブ見出しがあり、「加計人脈 政権中枢覆う」と書かれている。この二つの見出しから読み取れるのは、やはり加計氏が主役である。
 加計学園疑惑の国家での追及は、加計孝太郎氏の追及を行っているのだろうか、そうではなく、安倍首相がお友達を優遇し、国家戦略会議を使って加計氏に利益誘導したことが問われているのである。前川前文部次官が言ったように「行政がゆがめられている」事が問題なのである。加計孝太郎と安倍首相がお友達であっても何ら問題はない。安倍首相がそのお友達のために利益誘導を行い、そのため今治市の行政運営を破綻させる可能性をさえ孕んでいる事が問題なのである。

森友問題でも同じ弱点を赤旗は有している。(誰が主犯かを外す手法を採っている。)

 森友学園問題は6月26日付で書いた「赤旗は『森友学園問題』を籠池批判に終始し、一貫して事の本質を見誤っている」ですでに書いたが、国有地の8億円のダンピングの主犯は誰かの問題である。赤旗は「8億円も値引きする破格の安値で購入しようとした」と書き籠池主犯説をとっている。それに対して毎日新聞は、「問題の本質は『国有地の値引きと不適切な小学校認可』の経緯だ」と書いている主犯は近畿財務局及び大阪府だと書いている。
 ここに赤旗の間抜けさがある。毎日新聞と同じようなことを書いているような振りをしながら、いつも主語を微妙に動かし、国家権力側の犯罪だという主張を行わず、籠池氏や加計氏主犯説にすり替えている。
 これが赤旗記者の能力の劣化なのか、意識的にこの行為を行い、野党共闘を叫びながらも未だ裏では保守との共同路線を探っているのかもしれない。真意が全く分からない。

 蛇足だが、森友学園問題で嘘をつき通して頑張った佐川前理財局長が国税庁長官に出世するという記事が載っている。この場合赤旗は籠池主犯説だから、佐川理財協調の責任追及ができない。毎日新聞は近畿財務局の不当な値下げが問題と見ているから、この人事に異議を唱えている。その見出しは「露骨な論功行賞」である。と赤旗にはこの記事は無い。主犯が誰かで間違っているため、この批判ができない。