宮原レポートから見えてくる「自由にものが言えない共産党の体質」


平成30(2018)年3月24日


 森友学園疑惑は財務省の大規模な公文書改ざんが発覚し、いよいよ安倍政権を追い詰める絶好のチャンスが訪れた。将棋で言えばすでに詰んでいる。「まいりました」をいつ言うかという事態になっている。
 大阪府会議員の宮原氏はその時々の政治情勢に合わせて「宮原レポート」出してきているが、私から見ればピンボケのことが多く、常に問題点を批判してきている。
 森友疑惑事件に関しても3月15日「宮原レポート」を出し、財務省の大幅な公文書改ざん事件を取り上げ批判した。私はこのレポートを基本的には評価しながらも、言葉は正確性を期すことが大切と指摘した。
 3月24日付で、財務省の公文書改ざん事件を扱った15日版の「宮原レポート」の修正版が発行された。私の指摘をどの程度受け入れているか楽しみに見たが、残念ながら頑固に自説を書いている。これが世間で笑いものにならないか危惧して改めて指摘したい。

2種類の「宮原レポート」には共通点と書き換えられた場所がある。

 公文書改ざん問題で「宮原レポート」が更新されました。最初は3月15日発行され、改訂版は3月24日になっています。
 公文書の改ざん事件ではありませんがこの二つの「宮原レポート」はどこが書き換えられたのでしょうか。私は15日版の「宮原レポート」に対して何点かの問題点を指摘しました。
●第一点目は決裁文書の改ざん問題は、「14文書300カ所」と一般紙は報道している。なぜ290カ所と書く
 のか疑問が残ると指摘しました。
●第二点目は、「公文書偽造=犯罪」という表現は、今回の事件を正確に表していない。あくまで公文書
 改ざん事件と表現すべきだと指摘しました。
●さらに「塚本学園」という言葉が唐突に出てくるが、これは分かりにくい。もう少し書き方の配慮が必
 要ではないかと指摘しました。

2枚目(3月24日付)の「宮原レポート」は私の指摘を受け入れたか


〇2枚目の宮原レポートも「290カ所もの大量の公文書改ざんは国の大犯罪です。」という見出しを掲げて
 います。「290カ所のかいざん」という誤った指摘をそのまま維持しています。ただ「公文書偽造=犯
 罪」は、「公文書改ざんは国の大犯罪」に変えています。(1点目の指摘と2点目の指摘に変更はあった
 のか)
〇3点目の「塚本学園」は消えています。

公文書の書き換え個所は「290カ所」はなぜ書き換えられなかったのか?

 これが最大の謎です。「290カ所」にこだわるのであれば、一般に言われている300カ所は誤りであり290カ所が正しいことを証明する必要があります。
 大阪府下には共産党の市会議員も沢山おり、党員も相当数いると思いますが、誰もこの「290カ所」は間違っていると指摘しないのでしょうか?ここに共産党の体質が現れているのではないでしょうか?
 府会議員の宮原さんが「290カ所」と言っているのだからそれを間違っていると指摘できない状況があるのではないかと思っています。それとも彼の出す「宮原レポート」など誰も読んでおらず、関心も全くないのかも知れません。いずれにしても異常な体質です。
 安倍首相の「忖度」問題を追及している中で、このビラは共産党も風通しが悪いことを示しています。

なぜ「290カ所」という誤りが発生したのか。

 実はなぜ彼がこのような主張をするのか、根拠がどこかにあるか調べてみましたが、共産党は公文書の改ざんを「14文書300カ所」という表現をあまり使っていません。たとえば3月25日付(明日付)大阪民主新報は、3面 週刊ニュースファイル(2018年3月12日(月)〜18日(日))という記事で、
                   12日(月)
〇学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる公文書改ざん問題で、財務省が14の文書で数十カ所
 の改ざんを行っていたことを認める調査内容を報告という記事を載せています。
  この記事を読んで最初の財務省の発表は、14の文書は特定したが、改ざん場所の件数には触れていな
 かったのかと思い、インターネットで検索してみましたが。2018年3月13日の毎日新聞の記事は「財務
 省は12日、学校法人『森友学園』への国有地売却に関する決裁文書で、削除や書き換えがあったと国会
 に報告した。関連文書は「14件で約300カ所」が改ざんされていた。」という記事があります。
 
 つまり財務省は自らの犯罪(改ざん)を認めた際に、「14件で300カ所」特定しています。なぜ共産党はこれを引用せずに290カ所や、数十カ所(大阪民主新報)というのか全く分かりません。ひょっとすると大阪府の共産党の幹部は一般紙を読んでおらず、世間一般が「14件で約300カ所」という共通認識を持っている事を知らないのかも知れません。
 25日付(明日付)の大阪民主新報が未だにとぼけた数字(数十カ所の改ざん)書いているのですから、事実を伝える新聞としては余りにも間が抜けています。

赤旗は「14件300カ所」と書いているか?

しんぶん赤旗の検索で「公文書改ざん14件300カ所」と入れて検索すれば該当文書ナシが出ます。「公文書改ざん」では4件出ますが、改ざん件数には触れていません。
 赤旗を一枚一枚検索しましたが、なかなかその文言に当たりませんでしたが、3月16日付赤旗【主張】で「安倍晋三政権が国会の求めに応じて提出した「森友」疑惑関係の資料が約300カ所も削除・改ざんされていたことは、行政府が捏造した資料で立法府を欺き、三権分立の原則も議会制民主主義も破壊した大問題です。」書いています。赤旗も改ざん場所は約300カ所と特定しています。 
 ただ私が宮原レポートの「公文書偽造」はダメで「公文書改ざん事件」指摘し、宮原レポートが書き換え後は公文書改ざん」になっていたことを評価しましたが、赤旗の【主張】は「ねつ造」でした。
 このことからも、府会議員が赤旗の【主張】=「党中央の見解」がどのような内容になっているかを把握せず文書を書いているのは問題です。
 赤旗日曜版3月18日付は、「財務省が12日認めた。国会に提出した決済文書などの改ざん。公文書(2014〜16年)14件、約300カ所にのぼる大規模なものです」と書いています。

 私が探せていないのかも知れませんが、赤旗はなぜか「14件、約300カ所」を積極的には書いていません。たとえば14日付毎日新聞を読むと、「みんなの広場」で「公文書改ざん 徹底的解明を(71歳)の文書には「財務省による決裁文書の改ざんは「本件の特殊性」を削除するなど「14件約300カカ所」に及ぶという。」と書かれている。
 また30面【社会】にも「アクセス」という特集で「『書き換え』は問題の矮小化」という記事の中で、「菅義偉官房長官は『書き換えだと思う』と述べた。現理財局長だった佐川宣寿氏の虚偽答弁と整合性を持たせるため文書14件に約300カ所も手を入れた行為を、改ざんではないと言うのは無理があるのではないか」と書いている。
 新聞をまじめに読んでいれば何回もこの表記「14件、300カ所」に当たり、自然と覚えてしまうものだ。なぜ大阪の共産党員は誰一人気が付かないのだろうか?おそらく気が付いていても、党にそれを教える親切心がない。なぜか、そのことを電話して知らせても、「ありがとうございます。」という言葉が返ってこず、「生意気だうるさい」という対応が見え見えだからである。
 私は、何回か誤りを指摘したが「ありがとう」も言わず、一方的に向こうから電話をきる。そのような対応をしている限り、共産党の前進はないと私は思っている。

最後に
 今回は共産党の修正したビラから共産党の体質を問うという題名でその点に限って批判したが、改訂版は前のレポートより支離滅裂になっている。たとえば大見出しの「公文書から全部消えました」その下に
 「安倍首相」「安倍昭恵氏」(5カ所)
 「維新の会の国会議員」(当時)5人」「大阪府の関与」
 という見出しを掲げていますが、「5カ所」「5人」という悪ふざけで何を言いたいのかが返って分からない。さらには「大阪府の関与」が決裁文書に書かれていたのかよくわからない。この「大阪府の関与」は前回のレポートにはなく決裁文書の削除の中身の一つではなく、松井知事から始まる文書の見出しなのか意味不明である。
 「290カ所のもの大量の公文書改ざんは国の大犯罪です」は新たな見出しですが。中見出しで「―改ざん文書で明らか―昭恵さんの関与―」と書き、昭恵さんの問題点を批判していますが、最後の詰めの文書―昭恵さんは真実を語るべきです―という文言をおかしなことに次の見出し「安倍首相答弁『私や妻が関わっていれば国会議員を辞めます』の後、改ざんが始まる」という見出しの後の書かれています。
 この見出しは「改ざんは」何時から始まったのかが最大の関心事であり、佐川発言か安倍発言かを問うています。そこに―昭恵さんは真実を語るべきです―はピント外れです。この発言は前のセンテンスの締めに使うべきです。
 さらには大阪問題を取り上げているのは重要ですが、この森友事件とのかかわりを説明せずに載せています。大阪府が小学校の認可を認めない限り、この不正売買は成立しなかったのです。近畿財務局と同じように大阪府も超法規で前向きに進め、この売買成立に一役買ったことの指摘が曖昧です

資料:宮原レポート「公文書改ざん」No.2