しんぶん赤旗は都知事選の最中、相変わらず政治的無色透明な記事を載せている。


令和2(2020)年7月4日


 本日(7月3日付け)赤旗は、一面トップの最大の見出しは「東京 新たに107人感染」という見出しを掲げ、志位委員長が会見という記事を書いているが、その見出しがピンボケである。「政府・都が協議し、ただちに対応を」という記事を書いている。この見出しでは共産党は、政府や小池氏を信頼していることになる。ただちに(急げば)正しい方針が出ると共産党が太鼓判を押したイメージになる。
 しんぶん赤旗の記事は、政府や小池氏に任せられない、早く宇都宮都政を実現して都民の命と暮らしを守ろうという視点で記事の編集を行う必要がある。
 例えばこの同じ事態を日刊ゲンダイはどう伝えたのか、まず見出しは「基準撤廃」「全国拡散」「ウイルス」「弱者には死刑宣言」「コロナと共存7割経済」という見出しを掲げている。つまり、政府や小池氏は人の命よりも「経済重視に舵を切った」、この人たちに任せておくことは「弱者に対する死刑宣言である」小池都政を消滅させ、命を大切にする政治に変えていく必要があることを示している。これが政治というものだ。
 志位委員長の発言「政府・都が協議し。ただちに対応を」という常識的スローガンは屁のツッパリにもならない。共産党の政治的センスのなさを表している。
 もう少しこの記事を具体的に見てみると、毎日新聞も新聞赤旗も同じ原稿を元に作成されたものと思われる。最初のリード部分の文書がよく似ている。さらに東京都内の新型コロナウイルス感染者数の推移というグラフを両記事ともに載せているがこの図表の扱いが違う。
 毎日新聞はこの図表を5月当初から7月2日までのグラフを載せている。赤旗は、5月25日(緊急事態宣言解除日)から7月2日までを載せている。この違いは視覚的にどう違うか毎日新聞はU型のグラフ(最大の感染者数から最低に変化した経過が分かり、解除したことによってまた怪しくなってきたことが一目でわかる。)赤旗のグラフは、右肩上がりの曲線になっており、最高値107人で危機は分かるが第2波の危険性というとらえ方ができていない。
 さらに毎日新聞は一本一本の棒グラフを色分けし、感染経路の判明分と判明しない分を分かるようにしているが、赤旗は、色分けをせず、この把握ができない。(資料原本は色分けされていたと思われる)この違いは例えば7月2日の感染者は107人、そのうち感染経路不明者が40数名いることが読み取れる。グラフから何が読み取れるかの配慮においても遅れをとっている。

上記評価は赤旗一面と毎日新聞一面の比較をして評価したものであるが2面以降は・・

 2面の赤旗の見出し毎日の見出しを比較してみたい。赤旗は2面で【主張】「医療・福祉に手厚い都政今こそ」、志位委員長の会見 専門家会議の廃止表明許しがたい暴言、「東京新規感染」「『小池氏』早急に拡大防止を」「都知事のコロナ対応」「不安に逆行数値直視し対策を」「『感染拡大しつつある』都知事」「緊急事態考えず 菅 氏」という記事を載せている。
 それに対して毎日新聞は、【総合】2面3面で「コロナ解雇3万人超」「6月ひと月で約く1万人増」「コロナ再拡大現実味」「『夜の街』『東京由来』抑制鍵」「第2派備え 対策苦心」、「再発令 慎重『総合的に判断』」と書いている。
 赤旗と毎日新聞の着眼点の違いは何か、それはコロナ被害を感染者数だけで見るのではなく、働く者の生活破壊からも見ている点、さらには政府の基本方針を明らかにしている点である。それは「感染リスクをコントロールしながら、段階的に社会経済活動のレベルを引き上げていくのが政府の基本的な考え方だ。」と書いている。
 これを日刊ゲンダイ風に言うと「政府や小池氏は人の命よりも『経済重視に舵を切った』、この人たちに任せておくことは『弱者に対する死刑宣言である』」という表現になる。
 この点は東京都の小池氏の手法を見ていたらよくわかる。「東京アラート」というような常に聞き心地の良い言葉を作り、東京アラートの数字を超えてきたら、「今度は数値にはこだわらず専門家の意見を聞いた上で総合的に判断する。」と主張した。結局、都民は何を根拠に判断していくのかその基準をつぶしてしまった。「私が大将、私が判断する」にすり替えてしまった。
 ただ赤旗の名誉のために、断っておくが、赤旗がこうした視点が全くないかといえばそうではなく、赤旗もほぼ同じようなことは書いている。しかしそれが見出しには採用されていないところに赤旗の弱さがある。
 例えば、一つだけ引用しますが「都知事のコロナ対応」という記事の中で「小池知事の対応の背景には、安倍政権と通じて経済活動の再開を優先する姿勢があるとみられます。と書いています。しかし、ここでも逃げを打っています。「姿勢があるとみられます。」というような曖昧な言葉で語っています。ここでは「姿勢があります。」と断定的に主張すべきです。政府側の狙いの本質を「見出しにも使わない。」、取り上げても曖昧な表現で終えてしまう。ここに赤旗の限界がある。