大分市市議選の敗北を伝えない赤旗は、正義の味方・真実の友でありえるか?



令和3(2021)年2月28日

大分市会議員選挙の結果は、常識を打ち破る政党間の力関係


 2月21日大分の市議選が戦われた。結果は、共産党は3議席から2議席に後退した。この結果を翌日の赤旗は4面で【政治・総合】左下に「3市で3氏当選」と書き、極めて事務的に記載している。その内容は「大分市では、現有3議席確保をめざしたが現職の2氏の当選にとどまり、1議席減となりました」とだけ伝えています。
 私は、各市の選挙結果を注意深く見ていますが、主に大阪中心に関心を寄せ、大分市の選挙結果に今までに関心を持ったことはありませんでした。今回なぜ関心を持ったのかは、選挙結果で社民党の議員が4名当選し、さらには立憲民主から3名の当選があることにびっくりしました。
 最近社民党は分裂し、立憲に移籍した者と社民党に残った者がおり、いよいよ終焉かと思っていましたが、社民党がこれだけの善戦している市があることにびっくりしました。
 この選挙で社民党は4名当選していますがその当選順位もすごく、3位、4位5位が社民で4番目の方が22位で当選しています(当選人44人)
 ちなみに共産党の当選者は2人でその順位は、19位、44位(最下位)です。落選者は次点でした。もう少しで当選者は一人になるとこでした。(逆からいえば3人当選もありえたとも言えますが)
得票数で社民は17,572票(得票率9.75%)獲得しています。共産党は8,611票(得票率4.78%)です。社民党の強さがうかがわれます。
 この結果から言えば、旧社会党がしっかりしておれば、共産党はまだまだ市民の信頼が得られていないのではないかと思います。社会党が自ら破綻してきたことが共産党の躍進につながっているのだなとおもいました。

共産党の言論統制的な赤旗の報道に危機感を覚えます。


 共産党は、選挙に勝てば大々的に報道し、負ければどこに書いてあるのか分からないような記事を書いています。このような報道姿勢が本当に一般受けするのでしょうか?私は違うと見ています。大本営発表みたいな記事を果たして国民は求めているのでしょうか?国民はバランス感覚を失った報道を信用しないと思っています。
 この記事を書こうと思って赤旗のHPで大分の市議会選挙を検索しましたが、負けた結果は一切出てきません。2005年の選挙では「大分市で現有4議席」という記事が出てきますが、他の記事は大分市議選を戦っているという記事はありますが、選挙結果の報告記事は一切ありません。これでは新聞記事の歴史的役割は、果たせません。負けたことも報告しないと、なぜ負けたのかの分析ができません。
 大分市議選の結果は共産党の選挙戦での目標値の半分にも至っていません。ここでは一般的に「左翼と言われる票」は、社民党に流れています。共産党は明らかに市民の方々の心をつかめていないことが分かります。この敗因の原因が何かの分析をしっかりとやらない限り、大分での共産党の躍進は望めないと思います。
 逆に言えば、「共産党を落とし込むには大分の例を学べ」と共産党の弱点を敵側に見抜かれる敗北例です。保守の側が共産党対策で健全な左翼政党を創れば、共産党の成長を押しとどめることができると読まれてしまいます。
例えば、高槻市の国政選挙は全く振るいません。それは辻本清美という政治家がいるからです。(彼女は社民党時代も議員でした)個々の政治家の力の重要性も党建設の重要な課題であることを認識すべきです。誠に失礼ですが、志位委員長は選挙の顔には向かないと思います。
 たわごとではありますが、週刊誌か日刊ゲンダイか何か忘れましたが、辻本清美or(蓮舫)、山尾志桜里、田村智子で統一戦線を組めば、国民の理解が高まり、「共産党の票は倍化する」という記事がありましたが、確かにそういう局面もあると思います。党首の持っている力には大きな力があります。田村智子さんにはそうした魅力があります。

なぜ少数政党でありながらさらに分裂した社会党に共産党の2倍以上の票が入るのか?


 社民党がなぜ大分でこれだけの得票を維持できるのか、特別の要因を探したが、元社会党の委員長であった村山富市の地元以外に何も見当たりませんでした。村山氏が引退して20年が経過したいまでも村山氏の神通力があるのかもしれません。
 おそらく共産党の党組織が弱く、自力で運営する力を持たないのかと思います。私の住む高槻市でも政治家と思われる人材は存在せず、特定の人が市長選挙にも市会議員選挙にも国会議員選挙にも出馬するという「体たらく」を市民に見せています。一番有能と思われた元府会議員も大阪都構想の討論にテレビ出演を行い、橋下市長と戦いましたが(5年前)その主張は「プールの数が減る」一辺倒でした。こんな論議をしていれば、共産党は支持率をどんどん減らしていきます。同じテレビにコメンテーターとして出演していた人々をあきれ返ってものが言えない状況でした。

 以下具体的な票数等を見ていきます。




 この選挙戦の特徴は、一般紙や赤旗は自民党の票が1万以上少なかったことに着目していますが、私は社民党が4議席獲得したことに驚いています、
 注目点は、通常選挙では公明党や大阪維新が高位当選し、しかも連続的に何位〜何位まで独占する選挙が多いですが、(大阪では)この選挙では、社民党が2位〜4位までを連続して当選させました。その得票数は5031、4533、4434票と安定的な票数を確保しています。共産党の最下位当選者は2571票、次点の者は2393票でした。
大阪の公明党は当選順位を並べます。(見事な芸術作品です)大分では6人当選していますがそれぞれの獲得票数はバラバラです。1番高位当選者で4053票7位です。最小当選者は3670票18位です。(大阪に比べれば票読み点検が上手くいっていないと思われます。)
 次回選挙を見ないとわかりませんが、この4名の社民党員は、当選後は立憲民主に吸収されていくようです。社会党(社民党)という名前に、ネームバリューがあったのかもわかりませんが、次回選挙で立憲民主党が7人を維持できるかが注目点です。全国で公明党の数字に勝る社民党(+立憲民主党)というのは、おそらくこの大分だけだと思います。(20万人以上の都市で) 社会党の伝統を守ってほしいと思います。