断末魔に陥った安倍政権に手を差し伸べるしんぶん赤旗


平成30(2018)年4月13日


赤旗一面トップにに安倍首相と志位和夫委員長、小池晃書記長が雁首を揃える

 4月10日の新聞赤旗を見て驚いた。1面トップは安倍首相と志位委員長、小池晃書記長が仲良く雁首を揃えた写真である。」新聞の見出しは「日本政府も『対話による平和的解決』にむけた対応を」「北朝鮮問題」「志位委員長、首相と会談」という記事である。

 ちなみに同日の毎日新聞のトップ記事は「佐川氏口裏合わせ認識か」「理財局森友側に要請」、その隣に「『不存在』日報また発見」「南スーダン 監査対象外部署で」という記事を載せている。
 毎日新聞にも赤旗の記事が載っているか探してみるとベタ記事で「日朝関係正常志位氏求める」、「首相と会談」という小さな記事が載っているが、この記事は、共産党の思惑とは違い、安倍政権の外交の成果のような記事になっている。

 以下引用する
 首相は、「対話による外交的解決を図るという立場だ。よく検討する。」と応じた。とされているが同時に安倍首相の主張の紹介をしている。「圧力を最大限に高める国際社会の努力で北朝鮮が話し合いを求める状況ができあがった」とも指摘。その上で「この機を捉え、日米韓露が協力することが重要だ」と語った。とされています。
 結局は安倍首相の主張の宣伝の場として利用されている。

赤旗は安倍外交を批判し、共産党の外交政策を展開出来ているか?

 毎日新聞は、共産党の主張より、安倍首相の宣伝の場になっているが、だとしたら赤旗はこの記事で一体何を伝えているのか。以下引用する。

 会談で志位氏の要請に対し、安倍首相は「対話による外交解決をはかることが基本です。国際社会が圧力を最大限に高めて来たことで、北朝鮮の側から非核化を前提に話し合うことを求める状況ができあがった。この機をとらえて日、米、韓、中、ロが協力して対応することが重要だ」と語りました。毎日新聞とほぼ同じ状況を伝えています。これでは正に政府機関紙に成り下がっています。
 さらに重要なのは、この後は赤旗独自の記事ですが、見逃せない内容になっています。
 「ここ(要請書)にあるように、北朝鮮が具体的具体的行動をとるまで経済制裁は続けていく。拉致問題も包括的に解決していくことが大事だ」と述べました。それに対して、志位委員長は「北朝鮮はつねに合意を裏切る」という議論について・・・事実であり『困難を持ち込んだ基本的な原因が北朝鮮にあるのは明らかだ』」と指摘。という行があります。この志位発言は、安倍首相の発言を全て肯定する物であり、安倍首相も「要請書」(共産党)の内容は我々の主張と一致するものだと語っています。
 なんと馬鹿げた記事なのか怒りさえ感じます。毎日新聞の記事より共産党は安倍政権の北朝鮮に対する外交政策を「ヨイショ」しています。しんぶん赤旗はここまで落ちぶれたのかと思うと悲しくなります。

赤旗は現在の喫緊の課題が理解できず、空気が読めない新聞になっている。

 元々安倍政権が森友・加計学園問題で、決裁書類の改ざんや、理財局が口裏合わせを要請した事が明らかになった現状で、国会は空転し、安倍政権は追い込まれています。
 森友・加計学園問題の追及こそが野党側の追及の喫緊の課題であるときに、追い込まれた安倍首相が、自らが得意と自認する外交問題をぶち上げ、国民の目をそらせようと企んでいるときに、やすやすのその企みに手をかす姿勢は驚きを禁じえません。
 おそらく森友・加計学園の疑惑追及で共闘している野党5党(共産党を除く)は、共産党のこうしたパフォーマンス的行動に、「またやらかした、だから共産党は信頼できない」と思っていると思います。
 今、この文書を、テレビ(MBSひるおび!)を見ながら書いていますが、司会者が「安倍政権の今後をどう見るか」を聞かを聞いた際、コメンテータ伊藤 惇夫氏は、@政権が維持できなくなる、A三選が出来なくなる、B復元するのどれかだと言いましたが、(何の意味のない回答でしたが)田崎スシローと揶揄されている田崎史郎氏は、「北朝鮮外交で人気を取り戻す」と言われました。正にこれが安倍政権の狙いです。(彼は安倍政権の広報です。)
 共産党は安倍政権の狙い(悪だくみ)が理解できず、安倍さんが共産長を認めて会ってくれる。共産党も一人前の政党になったと宣伝できるいい機会だと思って赤旗記者を連れて官邸に入り、安倍首相と並んで写真を撮り悦に入っている。これは安倍政権の仕掛けた罠だと言う意識が全くない。

安倍政権の外交政策はすでに破綻し、世界から笑いものになっている。

 
 共産党は安倍首相に会い、自らが考える北朝鮮政策を安倍首相に話、意見の一致を見たとしていますが、安倍政権が北朝鮮をめぐる問題解決ですでに蚊帳の外にはじき出されており、何ら有効な手立てをとれないのは明らかです。
 今日の状況はその無能ぶりを暴露することが主要な課題であるのに、共産党は自らの政策を安倍政権に話せば、安倍首相がそれをもって国際的場で主張してくれると言うノーテンキさを現しています。
 トランプ政権は、北朝鮮問題で韓国の文在寅大統領の活躍は期待していますが安倍首相には何も期待していません。鉄鋼の関税対象国から韓国は外れましたが日本は対象になっています。

 安倍首相は、鉄鋼関税対象から日本を外すことや拉致問題等の課題をトランプに認めさせるため外遊を計画していますが、トランプの方は安倍氏とゴルフができることを楽しみにしており、日本を重要な交渉相手とは認めていません。
 もし、トランプトンとの交渉で鉄鋼の関税枠から外れたとしても、それを上回るお土産をもって交渉に当たろうとしています。どこで読んだか忘れましたが(日刊ゲンダイだと思いますが)今井首相補佐官が20兆円のお土産を出せと各省庁に圧力をかけているそうです。相変わらずの朝貢外交です。

 こうした安倍外交のだらしなさを突くべきであって、共産党の政策を安倍首相は飲んでくれたと言う立場に立てば、安倍訪米を応援する立場に追い込まれます。

 おそらく他の野党5党は、共産党とは違い、安倍外交の無策さを追求する立場に立たれていると思います。共産党だけは内政と外交は違うと言う立場に立ち、森友・加計学園問題では安倍政権と戦うが、外交問題では安倍政権と共に戦うと言う姿勢は、現在野党6党で安倍政権打倒の戦いをしている時に一人だけいい子になる正に抜け駆け的行動です。

赤旗1面の写真、安倍首相、志位委員長、小池書記局長の写真は、一体どのような効果を狙っているのか


 私は赤旗1面の記事(写真)を見て、共産党は社会主義国一般が持っていた悪癖を未だに払拭できていないと感じます。

 共産党はなぜ安倍さんと同時に志位さんの写真を載せることによって、共産党が政権にも認められる一人前の政党になったと言う印象操作を行っています。しかし、それは成功しているのでしょうか、一般市民は安倍首相と志位氏が雁首を揃えている写真を見て、志位さんスゴイ安倍首相にも認められていると感じるでしょうか、私は逆だと思っています。戦っているふりをしているだけで、結局は裏で手を結んでいると捉えると思います。
 共産党に対してカルト的信頼を寄せている人たちだけが、この写真を見て志位さんスゴイと思うと思われます。共産党の支持者の最もコアな人たちにしかその感情は沸きません。そのことが理解できていないのです。

 この写真は安倍首相、志位委員長、小池書記局長が並んでいますが、その中心は志位委員長のです。安倍首相が間の抜けた顔をしているのに対して志位さんはしっかりしたポーズをとっています。どう見ても主役です。(そのような印象操作を狙った写真です。)
 余談ですが最近金正恩氏が中国を訪問し、その会談の様子を中国側と北朝鮮が出した映像に微妙な違いがあります。中国側は金正恩氏がメモをしっかり取っている姿を映し、北朝鮮側は逆に中国の出席者がメモを取る場面を映しています。どちらが主役かの争いです。
 赤旗の写真も赤旗記者が写したから志位氏が中心です。安倍首相にとってはこんな写真が出ることはケッタクソ悪いですが、共産党懐柔に役立つならと我慢しているのです。
 しかし、このような印象操作が何の役に立つのでしょうか、こんなことで共産党の支持は上がりません。立憲民主党の枝野氏は常に戦う姿勢を貫くことが支持拡大につながると理解しています。ですから民進党や希望の党との連合を拒んでいます。彼は数合わせではないと見ています。スジが通っている者が勝利すると見ています。
 共産党もこの国会では相当活躍しています。テレビの露出度も共産党が一番多いように見えます。この戦いの延長線上に国民の支持は獲得できるのです。
 戦いの最中に安倍首相と会談し、ど真ん中に志位委員長の写真を載せたら、さらに支持が上るとみるのが今の共産党の限界(堕落)です。この写真を利用し「共産党は本当に戦っていない。戦うふりして裏でつながっている」と言う証拠写真にされる怖さが分かっていません。
 分かりやすく言えば、安倍昭恵氏の水準です。安倍昭恵氏は籠池夫妻と並んで写真を撮りました。こそ写真が詐欺の道具立てとして利用されました。近畿財務局の偉い人はこの写真におののき敗北しました。写真の持つ力の大きさを表しています。
 共産党は志位委員長が真ん中で、安倍さんを従えたかにも見えるこの写真を見て喜ぶ人もいれば、共産党は裏切りものだ。表では戦い裏では手を握っている。やはり信用ができない相手だと思った方も多々おられると言うことが想像だにできないのだと思います。
 共産党はゲスの勘ぐりだと言われると思いますが、この写真、この記事の中にどこに共産党の戦っている姿があるのですか?それを証明してください。
 この赤旗記事は安倍さんを手助けする提灯記事以外の何物でもありません。自分やっていることがどういう意味かが分からない点では安倍昭恵婦人の水準でしかありません。

資料:4月10日付赤旗1面