共産党26回大会代議員の発言
     赤旗に、「私の一番嫌いな発言」が紹介されている。

平成26(2014)年1月16日


大会代議員の発言(福岡の岡野隆県委員長)・・一斉地方選挙で5倍返し、6倍返しだと発言



  1月16日赤旗2面、26回大会代議員の「討論始まる 党躍進へ決意」の中で、福岡の岡野隆県委員長は、「自共対決の時代をどう切り開くのか。党の躍進こそ、社会変革の道を切り開く」と強調。この4年間に党員を迎え入れた支部は6割を超え、230人の党員を増やしたと紹介し、「2010年代に党勢倍加は可能だ。失った議席を、一斉地方選挙で5倍返し、6倍返しだ」と語ると。会場は大きな拍手でこたえました。という記事を載せているが、私は現役時代こうした議論を行う者を「最大の敵」と捉えていました。


 なぜなら、この議論は科学的でなく、全く主観に基づいた夢のような話です。これを県委員長が行えば、福岡県は次回一斉地方選挙で、今までの候補者を大きく上回る人数を立てて闘う必要があります。そんなことをすれば全ての選挙区で共倒れを招き、「5倍返しや6倍返し」どころか、壊滅的打撃を被ります。(当中央の方針は現実的な方針であり次回選挙での獲得目標は650万票です。・・・前回参議院選挙の比例区の得票数が5,154,055.360票ですから26%増ですからある意味で可能な数字です。)




非科学的な主観的な発言は、なんら政治的発言ではない。(引かれ者の小唄でしかない)


 5倍、6倍など、このような非科学的議論を平気で行うものがおれば、会議は全てダメになってしまいます。私も経験しましたが、この議論に異論を挟むと、それは敗北主義だという批判が帰ってきます。私が体験したのは、赤旗1面に来るべき選挙の獲得目標は1千万票だというものです。(古い話で申し訳ないですが、宮本委員長の提案でした。)前回選挙の2倍化を図らなければ到達できない目標でした。
 私は、このような大きな目標を掲げるのは、実現性に乏しく、選挙そのものが上滑りすると言いましたが、「宮本委員長の言うとおりだ」という議論には勝てませんでした。そして実際の選挙戦の票読みは、今までのやり方では当然読みきれず、府会議員であった指導者は、電話帳で電話をして「はいわかりました」といえば1票読んだと上げて良いと指導します。またある者は、保険の外交員に頼み3百票以上読んだと報告してきました。これが実態です。
 目標に合わせて、読めたような活動をするが、実際の票数は出ない、読み表と実際の票数が広がっていくのが現状です。(公明党は市会議員選挙で、6人立候補すれば、6人が4位から9位を占めるような離れ業を見せます。)これに対して共産党は、順位はばらばらで、もう少し調整できれば、あと一人当選できるという場合が生まれます。(実際に票が読めていないのです)
 私は、この福岡県委員長のような話を、「言うた者勝ち」の議論だと捉え、なんの役にも立たない、むしろ組織にとってはマイナスの議論だと思っています。
 私が大学に入りマルクス・レーニン主義に興味を持ち始め、スターリンの本を読んだ際に(この当時は学習指定文献に入っていた)何かの大会で、代議員が、私はこのような改革に取り組みましたと自慢げに一杯語ります。それに対してスターリンは、それで収穫がいくら増えたかを聞きます。するとその自慢話をした者は、「成果はこれからです」と答え、スターリンが怒る。というのを読んだことを覚えています。(こんな議論をすれば銃殺刑かもしれません。)

次期一斉地方選挙での福岡県での実績を検証したい。


 共産党もこの福岡の実践がどうなるか系統的に調べ、もしこの実績を上げなかった場合処分するぐらいの処置を行わないと、幹部は全て「ヒラメ職員のハッタリや」が占め、組織に大きな弊害をもたらします。
 私のこの人物に対する評価は「ウケ狙いの、ヒラメ党員」だと思います。こんな軽率な者が県党組織委員長であることは、驚きを禁じ得ません。この発言の尻拭いを福岡県党組織は、全て受け止めなくてはなりません。5倍も6倍もの議員を当選させる具体的戦略を是非示して欲しいと思います。(おそらく何も考えずに言っていると思います。)
 経過観察を行っていきます。もしこれが実現できなくても、この者を県委員長に止め置くなら、県内の党員は誰もこの人の話を聞かなくなると私は思います。お調子者は去るべきです。