日本共産党 最近おかしくないですか

赤旗は、橋下氏と本当に戦っているか?

  商業新聞に後れを取っているのが現状ではないのか?


                                                                                                      平成25(2013)年5月31日

 私は毎日新聞と赤旗を読んでいるが、毎日新聞に比べて赤旗は常に深みにかけている。従軍慰安婦問題の橋下氏の発言を巡って27日、日本外国特派員協会で記者会見した。沖縄県の在日米軍司令官に風俗業活用を求めた発言は「不適切な表現だった」として、撤回して謝罪したが、旧日本軍による従軍慰安婦をめぐる発言については「私が容認していると誤報された」と主張して撤回しなかった。この記者会見の内容を、毎日新聞、赤旗(28日版)は、どう伝えたか。

毎日新聞は一面トップでこの記事を伝えた。

 その見出しは、「橋下氏改めて「誤報」」、「慰安婦発言撤回せず」 「海外記者に釈明」と掲げ、3面では、「橋下氏釈明会見」「人権意識甘く論点ずれ」「外相「悪印象が心配」、友党公明も批判「大阪府議会」5面では、「慰安婦容認一度もない」「問いたいのは、戦場での性」橋下氏改憲一問一答」を載せ、さらの社説で「橋下氏の説明」「本質そらす責任転嫁だ」を書いている。さらに27面【社会】で「橋下代表釈明会見」「論点すり替え」「責任逃れだ」「特派員が批判」「丁寧に説明」評価もと書いている。(この「特派員が批判」と「丁寧に説明」とでは、文字ポイントが大きく違う)さらに「米より沖縄に謝罪を」という見出しを掲げている。

赤旗は、驚くべきことに、この記事が一面トップではない。

  一面トップは「憲法96条改正に反対」であり、「慰安婦暴言」は一面のトップおちである。」見出しは「「慰安婦」暴言」「撤回せず責任転嫁」「外国特派員協会 橋下氏が会見」、さらに「歴史に向き合う姿勢根本からかけている」「市田書記局長が批判」を載せ、2面に「主張」で「謝罪や撤回からは、ほど遠い」さらにニュース@NEWS欄で「のけぞった橋下氏の釈明、3面に橋下会見ごまかし・すりかえの3時間」女性記者「「慰安婦」に謝罪なしでひどい」仏人記者「奴隷制最も批判されるもの」「責任はメディアになすりつけ」という物であった

橋下氏への懲戒処分要求(大阪弁護士会有志)で毎日と赤旗の差が明らかに

 さらに毎日新聞と赤旗と差が出たのは30日の新聞である。30日の朝刊各紙は、大阪弁護士会の有志が、「橋下氏を懲戒処分に要求」という記事を一斉に報じた。

 以下に毎日新聞の記事と赤旗記事を列挙する。この二つの記事どちらが赤旗か分かる人は政治的に「通な人」である。

X新聞(橋下氏への懲罰要求)

 「大阪弁護士有志懲戒処分を要求」「人権擁護義務違反」
大阪弁護士会の弁護士有志らが29日、従軍慰安婦を巡る一連の発言で弁護士の品格と品性をおとしめたとして、弁護士資格を持つ、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の懲戒処分を同弁護士会に請求した。

 橋下氏が所属する同弁護士会は今後、綱紀委員会などで処分の必要性などを検討する。

 請求書では、橋下氏の発言について「社会正義の実現、基本的人権の擁護義務を定めた弁護士法にも違反する極めて異常な発言だ。弁護士としての資格、業務の継続に大きな疑問が生じている」と訴えている。有志代表は辻公雄弁護士。請求には計740人が名を連ねた。

 一方、橋下氏はこの日の記者会見で「政治的見解にまで懲戒請求するのは請求権の乱用で、政治活動への重大な挑戦だ」と反論した。

Y新聞(橋下氏への懲罰要求)

「慰安婦発言 橋下市長を懲戒請求」「大阪弁護士会に市民ら730人」

 橋下徹大阪市長の「慰安婦」などに関する発言は弁護士の品位を害するとして、弁護士や市民訳730人が29日、大阪弁護士会に懲戒請求しました。

 橋下市長は弁護士資格を持ち、同弁護士会に所属しています。

 請求代表の辻公雄弁護士は記者会見し、「橋下市長の発言は前例のない暴言。公人として許されない」と述べました。請求に参加した市民や集会やインターネットなどで募り、今後も追加で懲戒請求するといいます。

 これに対して、橋下市長は同日の定例記者会見で「懲戒請求権の乱用だ」と反発。「今回の発言は弁護士とは全く違う立場でやっている。僕が弁護士として登録しているという形式的な理由だけで、懲戒請求の対象とするのは横暴極まりない」と批判いました。
 また品位を害する」という請求理由について、「ものすごく恣意(しい)的に使われている」と主張しました。

 この新聞記事どちらが「毎日」でどちらが「赤旗」か、分かりますか、どこが違うか見ていきましょう。

  1. X新聞は、大阪弁護士会有志らの発言を中心に伝え、橋下氏の反論を
     簡単に伝えています。(2行です)それに対してY新聞は、大阪弁護士会の主張と、橋下氏の主張をほぼ同じ分量で伝えています。

X新聞は「品格と品性」をおとしめたと主張を書いたが,Y新聞は「品位」を害する。と伝えた。

請求内容をX新聞は、「橋下氏の発言について「社会正義の実現、基本的人権の擁護義務を定めた弁護士法にも違反する極めて異常な発言だ。弁護士としての資格、業務の継続に大きな疑問が生じている」」と何が問題かを明確にしているが、Y新聞は「橋下市長の発言は前例のない暴言。公人として許されない」と抽象的にしか伝えていません。

橋下氏の反論をX新聞は、「橋下氏は、この日の記者会見で「政治的見解にまで懲戒請求するのは請求権の乱用で、政治活動への重大な挑戦だ」と反論した。と簡単に載せていますが、Y新聞は、記事の半分を使って、「橋下市長は同日の定例記者会見で「懲戒請求権の乱用だ」と反発。「今回の発言は弁護士とは全く違う立場でやっている。僕が弁護士として登録しているという形式的な理由だけで、懲戒請求の対象とするのは横暴極まりない」と批判しました。
 また品位を害する」という請求理由について、「ものすごく恣意(しい)的に使われている」と主張しました。

 すでに「賢明な読者」はお気付きと思いますが、X新聞が毎日絵あり、Y新聞が赤旗です。赤旗は民主的な新聞ですので一方的批判を行わず、常に反論権を保障し、記事の半分は橋下氏の主張に割いています(?)。

<橋下氏たたきは、いつやるのですか?「今でしょう」>

 赤旗を見ていると(28日朝刊一面トップが橋下氏の慰安婦発言(日本外国特派員協会での)でなかった事、及び30日朝刊が橋下批判より橋下の弁明を取り上げた等)、政治的感性のなさがうかがわれます。(おそらく28日朝刊1面トップは、赤旗以外のすべての新聞が橋下氏の慰安婦発言であったと思われます)。

 私は前に、「酒井くにお・とおる」の兄弟漫才の例をだし、「今笑っておかないと、私たちの漫才はもう笑うところはありません」というギャグを引き合いに出して、ここというときに戦わないものは敗北すると書きましたが、最近のはやり言葉で言えば、「いつやるのですか?」「今でしょう」というのが流行っていますが、まさに橋下をたたくのは「今でしょう」この感覚が共産党には、ずれているのです。

 さらに毎日新聞の優れているところは、30日付け朝刊は「橋下氏に反論する」という記事を大阪本社編集局長名で載せている。

 この記事では、橋下氏の一連の詭弁を批判している。以下引用

 橋下氏は後に「風俗業発言は」撤回したが、文脈から伝わったのは、従軍慰安婦問題の見解や歴史的認識以前の、橋下氏の人権感覚、人間観ではないであろうか。国内外に批判が広がったのもこの点にある。「報道で正反対の人物像・政治家像が流布してしまった」と橋下氏は言う。しかし、流布した原因は橋下氏の発言、言葉そのものにある。報道批判は責任転嫁だ。ましてや「日本人の読解力不足」との指摘はあたらないし「他国もおなじようなことをした」との主張は論点のすりかえと映る。(以下省略)

 毎日新聞は、新聞社として橋下氏のすり替え論議を明確に批判している。

  共産党が批判する商業新聞が結構奮闘している、赤旗は部数を増やしたいのであればこうした一般紙から学び。内容を充実しない限り難しいと思われる。