◆マックス・ウエーバーと橋下徹知事



 マックス・ウエーバーの職業としての政治家という本が岩波文庫からは発行されています。実はこの本は私が40年前に大学に入った際、政治学の先生から最初に読め言われた本です。その当時すでにマルクス主義の本を読み始めていた私には、この本が言おうとしていることは何か全くわかりませんでした。覚えているのは政治家にはカリスマ性が必要だということだけです。

  最近共産党は「政治と金」の問題を重視し、小沢氏の政治資金の問題や前原氏の外国人からの献金に対して違法性を追及しています。わたしはこれを見ていて、とりわけ前原氏の昔からの知人の朝鮮人焼肉屋のおばちゃんからの5万円の献金が議員辞職に値する問題か疑問を抱き、そもそも「職業としての政治家」に求められるものは何かを整理する必要があると考え、マックス・ウエーバーの本を改めて読みました。
  読み始めるとマックス・ウエバーが橋下徹知事のような性格の政治家に警鐘を鳴らしている部分があることがわかりました。以下少し抜粋します。

 「政治家の活動には、不可避な手段としての権力の追求がつき物であるからである。その意味で「権力本能」−と一般に呼ばれているものはー政治家にとっては実はノーマルな資質の一つである。−ところがこの権力の追求がひたすら「仕事」に仕えるのでなく本筋から外れて、純個人的な自己陶酔の対象となる時、この職業の神聖な精神に対する冒涜が始まる。(中略)権力を笠に着た成り上がり者の大言壮語や権力におぼれたナルシズム、ようするに純粋な権力崇拝ほど、政治の力を堕落させ歪めるものはない。単なる「権力政治家」−こういう人間を、祭り上げる儀式がドイツでも熱心に営まれている。−の活動は派手かも知れないが、空虚で無意味なものに終わってしまう。 

  このマックス・ウエーバーの指摘は現在の橋下徹知事の状態をまさに現しています。選挙戦での宣伝戦は、この視点で戦い、橋下徹という一政治家が如何に危険な存在であるかで圧倒しない限り、橋下「維新の会」の勝利は揺るがないと思われます。
共産党はこの視点からの対決を避けているが、頼もしい援軍が現れた。前堺市長などが「『仮面の騎士』橋下徹Nの独裁支配の野望と罠」が18日出版された。また新潮社は18日発売の「新潮45」で「『最も危険な政治家』橋下徹研究」を特集しています。さらにフライデーは23日号で、「大阪府幹部職員爆弾証言「私の同僚は橋下徹知事に追い込まれて自殺した」という記事を載せています。
  以上橋下徹知事の政治家としての資質の問題点をえぐりだすことが、重要です。