◆大阪秋の陣とは何か



 大阪秋の陣は、橋下知事が推し進める大阪都構想を容認するか、「NO」を突きつけるかの戦いです。橋下氏はまれに見る政治家であり、大衆を扇動しあらぬ方向へ引っ張っていく稀代のペテン師です。しかもただのペテン師ではなく、国民を右翼的に組織して自分が独裁者になることを夢見るヒットラーのような性格と実力の持ち主です。(注1)
 共産党はこの橋本氏の野望を打ち砕き、住民が主人公の大阪府・市政の実現を目指す必要があります。

 注1:ペテン師という言葉について
    彼のいう「大阪都」構想の実現には、議会での議決や、国会での法律改正議
    決、住民投票などさまざまなハードルがあり、実現の可能性は低いと思われる。
    (できもしないことを、さも簡単にできるかのように宣伝し、府民を組織する彼の手
    法をさしてこの言葉を使っている。)このサイト全ての記事はその立場で書いて
    いる。  

  しかし、一せい地方選挙の戦い方を見ても、共産党は橋下氏の維新の会との対決を避け「震災復興」を最大の争点にしました。今回11月27日に予定されているダブル選挙に向けた赤旗の論調も全くのピントはずれです。
  正直に言って、共産党は赤旗拡大に熱中し、政治が判らなくなったのか意識的に争点を隠し、橋下氏に「塩」を送っているのか、全くわかりません。

橋下氏との戦いのスローガンは何か
       「府(市)民の生活を壊し、橋下独裁者の野望を許すな」

 具体的に何を語るべきか(どう戦うべきか)
◆橋下氏がなぜ大阪市長選に出るのか。
   大阪氏の市民の利益を守るためではなく、自らの独裁者としての野望の実現のためであることを徹底的にた
  たくべきだと思っています。。
   彼は知事になり、自分が大阪の最高権力者だと思ったが、違うことに気がついた、大阪府には金も権限も無い
  ことを。そこで彼が考えたことは大阪市に乗り込み、大阪市を壊し、金と権限を巻き上げ、再度大阪府知事にな
 って、名実ともに自分が大阪の権力者になることを狙っていると思われる。
     その際、府民を右翼的に扇動し、意識の高揚を図り、それをバックに自らの野望の実現を考えている。今回の
 選挙は特殊な選挙であり、小泉さんのときに同じ現象が起こったが、ペテン師的手法で大衆を扇動した場合、一
 定成功することを政治は示した。しかしこれは何も例外ではなく、過去においてはヒットラーがこうした手法で成功
  している。
    この同じ危機が大阪府という地域限定ではあるが、発生しているのである。つまりヒットラー的独裁者とどう戦
  うかが、選挙戦術上どうしても必要になってきている。

共産党の選挙戦術は通常の選挙戦術の枠を出ず、橋下氏の野望と戦わず
  橋下氏の実績との戦いを挑んでいる。 (別紙参照)

 この間の赤旗を見ていると一番良く書いているのは、旧WTCの移転が破綻したことを書いている。これが一体何を意味するのか。マスコミでもすでに「ハッシズム」という言葉が使われ、橋下氏の狙いを「独裁」と位置づけている。赤旗には独裁という言葉が一切現れない。

  旧WTCが破綻してもそれは過去のことであり、すでに現状では橋下氏は大阪府をほり出している。過去の政策をあげつらっても意味がない。しかも震災というある意味では予想外のことが起こったことにより、誰の目にも失敗が判った事実でしかない。
  何が言いたいのか、それは彼が「ハッシズム」であることを立証する戦いを組まないと震災で破綻したことをついても日本人は判官びいきだから、それは殺生やでということになる。

  橋下氏が右翼的に府民を扇動し、府民の生活を脅かしている事例はいくらでもある、戦いの中心を橋下氏の思想性と絡めて攻撃しないと、全くばかげた選挙戦になる。今手元に10月23日(日)付けの大阪民主新報があるが、一面トップの大きな見出しは、「ダブル選対決軸くっきり」と書かれているが、全く内容の無い見出しだ。「対決軸」があることはみんなわかっている。対決軸が何かを書くのが政治だ。

 次にサブ見出し「命を守る大阪目指し、政治の中身を変える」それに対して維新の会「大阪都構想」で開発を狙う。と書いている。これも全く無内容な見出しだ。おそらくこれが対立軸と捉えていると思われるが、今回の選挙の特殊性を全く捉えない気の抜けたサイダーのような見出しになっている。(これは共産党のいつものフレーズであって他府県でも同じフレーズが使える。橋下という稀代のペテン師、ハッシズムと言われる独裁者との戦いに全くなっていない。)

  私には共産党の政治的劣化がここまで進んでいることに驚きを覚える。党中央はこの大阪の戦いを容認しているのか、もしそうだとすれば再建は相当困難と見る。
  もう少しこの新聞を説明すると、裏見出しは横見出し「大銀行は121億円の儲け」、縦見出しは、「WTC破綻でも唯一”得”開発のツケは府・市民に」「開発より住民守る施策を」さらに横見出し「府庁舎は撤退を」書かれている。橋下氏の権力の独裁思考を攻撃しない限り、共産党は選挙で惨敗する。

橋下氏への正しい評価は、学者等の意見を紹介した記事の中だけ

  同日付けの赤旗6面に「教育・職員基本条例案」の記事が載っています。その中に縦見出しでやや小さな文字で学者・法律家・教員が指摘という記事の中でその主張一行でまとめられています。
 ★「右翼思想で独裁思考で新自由主義」 二宮氏 
 ★「戦後培われた教育の原理を破壊する」 丹羽氏
 ★「公務員が全体の奉仕者でなくなる」小林氏
 ★「子どもを過度に競争に駆り立てる」田中氏
 と書かれています。これらの主張こそが正しく、なぜ赤旗は学者の主張として取り上げても、それを自らの主張としないのかきわめて疑問に思います。