政党交付金を獲得せよ・・私も大賛成です。



 赤い狐さん、利根川大好きさんの主張に大賛成です。赤い狐さんの指摘すべてあたっていると思います。共産党は大いなる勘違いをしていると私も思っています。また利根川大好きさんの「しかし、これはウィーナーが心配した人間の非人間的使い方・生き方とはいえないだろうか。共産党は全組織員が常にもっと良い活動形態、もっと良い政策の実施、もっと国民に理解されためになる組織を目指さないとマルクスもエンゲルスも満足しないのではないか。ビラまきは現在ではもっとも能率の悪い選挙活動である。」もそのとおりだと思っています。とりわけ「人間の非人間的使い方・生き方とはいえないだろうか」という行は、全面的に賛成です。共産党は党員に非人間的な活動を求め、結局はまじめな多くの党員をつぶしています。活動というのはもっと楽しいものでなければならないというのが私の持論です。

 共産党は政治というものが全く分かっていないと思っています。この間の橋下氏を見ていると政治が如何に面白く楽しいものか分かります。(独裁者・思想統制の面もありますが)。共産党の政治は赤旗新聞の読者拡大が最大の課題になってしまっています。党員にとっては「苦役」になっています。(毎日、日報を上げることが義務つけられます)

 新聞については、世間では、「新聞は超一流大学出身インテリが記事を作って、売って回るのはやくざの仕事」という言葉があります。(問題のある表現ですが、ある程度的を射た発言と思われます。)また、読売のドンである渡辺氏が、自社の記者たちを集め「読売新聞がなぜ読者数が一位なのか分かっているか、お前たちの記事が優れているのではない、巨人軍があれば新聞なんて白紙でも売ってみせる」と豪語したといったという有名な話もあります。赤旗には巨人軍のような魅力がなく、若者が新聞離れしている現在、その拡大は困難を伴います。

 赤旗だけでなく、一般紙もその存在をかけて新聞の拡販運動を取り組んでいます。たまたま職場で「新聞の拡販協定」のビラが入っていた話をすると、4名の内2名が一般紙ですが、年間10ヶ月しか払っていないと言いました。それを聞いたもう一人も新聞販売店と交渉し、2年間取りつつ付けることを条件に20ヶ月分でよいとの条件を引き出したと後日報告しました。

 世間一般で新聞離れが進行し、一般紙も生き残りをかけた戦いをしている中、魅力のない赤旗(注1)が部数をふやすことはきわめて困難な情勢になっています。もうすでに赤旗を増やして選挙で勝って権力を握るという路線は破綻していると見ています。(赤旗が100万部数になると言うのは夢のまた夢です。)

注1:最近の赤旗には大きな弱点があり、一紙で間に合うという看板も剥げ落ち、何を目的としているのか分かりま
     せん。

    赤旗の弱点は、

   @中国報道が完全にゆがんでいます。

     中国を社会主義国と捉え評価し、中国の問題点を隠蔽していること

     具体例としては、中国の民主化運動家に対するノーベル平和賞の報道、中国の高速鉄道の列車事故の
         報道、あるいは全土で起こっている人民の反乱など、一般紙に劣る報道をしている。

   A3.11の震災報道取り分けて原発事故の報道(原子力の平和利用を捨て切れていないこと)

     さよなら原発の集会(9月19日)の主催者発言の報道姿勢など

   B選挙報道などのゆがみ

     一せい地方選の最大の特徴は、原発反対を掲げて世田谷区長選挙で社民党の保坂氏が当選したことで
         すがこれを握りつぶしたこと

   C「保守との共同」の戦いの中に活路を見出しています。(「ばかも極まれり」という状況です。) 革新の統一
        戦線は何処にいったのか?

  取り分けて中国問題に対する赤旗の報道は異常であり、ソ連や東欧諸国の崩壊に際し、「あの国は社会主義度と無縁な国であり、崩壊を歓迎する」といったが、中国の「社会主義体制の崩壊(共産党の一党独裁)」の際にも同じ発言をするのか注目しています。

 共産党の幹部は、赤旗拡大で本当に世の中が変わると思っているのでしょうか。私は思っていないと見ています。なぜ赤旗拡大をするのか、それは唯一お金がほしいからだと思っています。このまま赤旗が減紙を続けたら共産党は破産してしまいます。(それほど追い込まれています。)「破産」を回避するためにはどうしても赤旗拡大が必要になっています。

 卑近な例で悪いですが、統一教会が多宝塔を売っています。これを末端の信者は本当にこれを売れば幸せになると信じていると思いますが、幹部はまさに金儲け(収奪)と割り切っていると思います。共産党も末端の党員は赤旗を拡大すれば世の中が変わると信じて一生懸命努力していますが、なかなか進みません。疲労困憊になり、展望がひとつも見えません。この悪循環を断つべきだと思っています。

<政党助成金をもらうべきである>

 この悪循環を回避するためには、政党助成金をもらうことが唯一の道だと思っています。国民のために働く政党が、政党助成金をもらうことを恥じる理由はどこにもありません。国会で決めたことを一人反対し「ええかっこ」してみてもなんら効果はありません。共産党は合法政党であり、国会で決まったことは基本的には国民の意思であり、それに従うのが原則です。「国民の意思」に反して、自分だけが「ええかっこ」する姿勢は決して国民は支持しません。(自分だけが「ええかっこ」して目立とうとする。・・それは一般的に受けないのです。・・・仲間はずれされる原因です。)

  赤い狐さんはこの辺を

 わたしにとって、共産党のイメージは貧乏人の党ではなく、「ええかっこしい」であり、プチブル的道徳屋さんであり、偽善臭がふんぷんと匂ってくる。制度そのものに対する反対は反対でけっこうだ。しかし、貰えるものはなんでも貰う。これがプロレタリア根性ではないか。
 と表現されています。

 この辺が共産党の勘違いです。周りの雰囲気を理解できない、KYです。この間の共産党の支持率が2〜3%しかないのを見れば分かることです。政党助成金をもらっていないから共産党を支持する人はほとんどいません。むしろ共産党は金持ち政党であり、そのお金はどこから来ているのか疑われているのがせきの山です。

 また、政党助成金をもらうことは、共産党が国民政党へ脱皮する契機にもなります。私は共産党に意見書を15通出しましたが、共産党は回答をくれませんでした。これは政党助成金をもらっていないからその義務はないと思っていると思われます。政党助成金をもらえば、国民の質問に答える義務があることが明確化します。(その辺ももらわない理由かと思っています。国民と向かい合いたくない。方針はわれわれが決める。上位下達の典型です。)

<政治の基本は清潔さではない>

  政治とは国民のために天下国家のために国民に奉仕することであり。天下国家のことを語らず、「政治と金」だけを馬鹿の一つ覚えのように言うのは、厳しく言えば政治を愚弄するものです。

  今日の情勢で言うなら、世界的な景気の減退のなか、国民の財布の中身はどんどん減り続け、閉塞感が充満している状況です。これを如何に打開し、国民生活を豊かにするかが問われているのです。大阪のダブル選挙で見られた共産党のスローガン「安全・安心・やさしい大阪」このスローガンのどこに現状打破の方向性があるのですか。少なくとも、橋下氏が提起した既得権益の打破の方が、そこから開かれるという方向性を示唆しています。

  また、小沢裁判についても共産党は不確かな事実(検察情報)をもって小沢氏を批判してきました。共産党の基本姿勢は、国家権力と真正面から戦うところにあります。ここが他の政党と違いであり、共産党のもっとも優れた特徴とするところです。これがなくなれば、共産党の存立意義がなくなります。この間の共産党の言動を見ていると、検察は絶対に正しく、検察が小沢は犯罪者といっている、だから小沢犯罪者だという論議を振り回しています。

  しかし、検察が国民の敵であることは戦前の共産党に対する弾圧で明らかであり、最近も村木厚子元厚生省労働局長事件でその正体が暴露されたばかりです。また小沢裁判でも検察は元秘書の石川知裕議員の供述調書の捏造を行い、小沢氏を有罪に陥れる策動を行ったことが暴露されています。この期に及んでもいまだに「政治と金」の問題を馬鹿のひとつ覚えのように唱えている共産党は本当に政治オンチです。この段階では、検察組織の国民弾圧の体質を暴露することの方が政治的価値があるのです。(注2)

注2:村木事件で証拠の改ざんを行ったと起訴された前田元検事ですら、この裁判はスジが悪いといっています。
      陸山会公判で「私が裁判官なら小沢元代表は無罪を書く」述べています。(東京地裁第10回公判)

<橋下の政治はなぜ面白いのか>

 彼は、現在の国民の抱えている課題を真正面から捉え、自らの考え対案を出して、世間に論議を巻き起こしているから面白いのです。共産党はマスコミは橋下だけを取り上げ不公平だと泣き言を言っていますが、確かにその面もありますが、共産党の政策力の無さやディベート力のなさがこの結果をもたらしていることも理解すべきです。現在の日本社会での主要な議論は、小泉氏が主張した「痛みを伴う改革」という考えが国民を支配しています。もう右肩上がりの経済状況はありえないことを理解し、所得の再配分を如何に行い、全員が「納得」できる社会を如何にして作るかが課題になっています。

 特定の者に富が集中し、一方では最低限の生活を維持することすらできない者が若者を中心に増えているのが現在の状況です。この富の集中が合理的に行われていることには反対しませんが、不当に、あるいは不正に富が集中している者がいないのか、この腐敗や不正を追及したいという国民の声が大きくなっています。

 まともに働いても200万円以下しか収入のないものが、700万あるいは800万くらいの収入のある公務員を(50代後半で)既得権益者と見るのは、ある意味ではあたりまえです。あるいは、すでに退職した者の年金が、現役の労働者の賃金を上回ることも異常です。(公務員を中心とする一部の者ではあるが)この状況は健全な社会とはいえないと思います。これに対する解決策を示さず大阪ダブル選挙のスローガン「安全・安心・やさしい大阪」を掲げても、国民はこのスローガンに改革の息吹を感じられず、橋下氏の「既得権益の打破」に共感を示したのです。

 政治とは常に国民の気分感情がどこにあるのかを把握し、それに応えていくことが必要です。(注3)共産党はその努力を全くせず、何十年前に受けたスローガンをそのまま使い、先の大阪ダブル選挙戦を戦い大敗したのです。

 現在の政治を「政治と金」の問題追求で打破できるという共産党の政治オンチさにあきれ返ります。また消費税反対で勝てると思っているのもばかげています。(もはや反対だけでなく積極的提案が求められているのです。)今は富の再配分に対して積極的な展開をしていかない限り国民の支持生えられません。

 橋本の主張はそこを捉えているのです。彼の賢いところは、弱者切捨てではなく、弱者にも配慮しながら、そのことを行うという主張をしていることです。

注3:3月7日付け赤旗8面【党活動】に重要な主張が載っています。選挙対策局の主張です「4中総後の中間選挙
     の結果、教訓と問題点」

   この文書の特徴は

  • この間の選挙結果を数字で表し、他党派との力関係を描きながら総括しています。(これが当然のスタイ ルです。)

政策論戦の留意点は、何かであることを明確にしています。長くなるので引用はやめますが、「正しい指摘」だと思います。

 この視点で、大阪ダブル選挙の総括を是非やっていただきたいと思います。

<この土日のテレビでの橋下氏の発言>

  彼は公務員組合の不当な政治活動の話をしています。その際公務員労働者の権利一般を否定せず、ただ自分の社長が決められるこのシステムが首長と組合の癒着を生むと批判しています。(ここでは、自民党の公務員批判と一線を画しながら、批判しています。彼のこの指摘はある意味当たっているのです。労働組合が首長を支持する理由は、第一義的には組合員の利益を守るためであり、決して国民の権利を守るためではありません。)

 次に、税と社会保障の一体改革の議論でも、社会保障は富の再配分の問題だから所得税や法人税などの問題との関連で捉えるべきと主張しています。消費税は使うべきではないと。また資産課税強化についても言及しています。

  さらに、生活保護不正需給の話で多くの議論がなされましたが、ここでも自民党の世耕氏が自民党は8000億の削減を考えていると自慢した際、すかさず最初に減額ありというのは間違っている。あくまで適正な需給をすると主張しました。また、彼はベーシックインカム(最低限所得保障)の考え導入し、国民の生きる権利を保養していく立場を明確に打出しています。

 年金問題では「掛け捨て」論を打出しています。所得が1千万もある人に年金を支給せず、その財源を弱者に回すといっています。明らかに彼は既得権益者を敵に回し、その分を弱者に回すというメッセージを送っています。ここが共産党と決定的に違うところです。彼は国民に議論を吹っかけています。みんなが政治に熱くなれるのです。やはり政治は国民の熱い議論の中から生まれてくるのです。(「安全・安心・やさしい大阪」は国民を議論に巻き込まず、そういう社会を作ってあげますというイメージであり、国民の参加を求めていません。)

 共産党は大企業の社内留保の問題や軍事費の問題は取り上げますが、国民間にある矛盾を取り上げることは回避しています。たとえば共済年金と厚生年金の支給の格差などは一切取り上げません。あるいは先に指摘した年金の掛け捨て論にも組みしません。なぜなら99%国民からの支持を得ようとして、誰も敵に回さない政策を出しています。それが「安全・安心・やさしい大阪」というばかげたスローガンです。皆さんの味方ですよというスローガンほどばかげたスローガンはありません。「共産党は弱者の味方」というスローガン(方向性を明確にする。)を掲げないかぎり絶対に前進しません。最近の「保守との共同がおおきくすすみ、日本共産党のへの期待が広がっています。」(大阪府日本共産党講演会ニュース2012年1・2月号)はまさに共産党の変質を図るものであり、先のダブル選挙から何も学んでいません。このような共産党の状況では橋下が一人勝ちするのは当然です。

<共産党の衰退は、すべてお金に原因がある>

  「政治と金」これは共産党がもっとも得意な分野です。この主張で過去に大きな成果を上げてきたのは事実です。共産党は他の政党と違い、赤旗を発行し大きな資金を動かせるため、他の政党が企業献金やそのた不正なお金を集めて戦っている姿を「あざけ笑い」攻め続けてきました。政党助成金にも反対し、自らの自立的手法による集金活動(かんぱ等)で党を運営し、ここで他の政党との差別化をはかり、党の躍進を狙いました。しかし皮肉なことに、その赤旗が大幅に減紙になり、一気に財政運営の枷になってしまいました。そこで大騒ぎ(赤旗拡大の号令を出す)していますが後の祭りです。(もはや増紙は不可能です。・・2月3日付け赤旗8面:大運動で「2月度は、日刊紙、日曜日版とも後退する結果になりました。」と報告されています。)

生き馬の目を抜く資本主義社会で、素人集団が企業と同種の物を作り競争することにそもそも無理があるのです。企業経営(赤旗)がうまくいかないと政党も持たない。こんな無謀な挑戦をすることがそもそも間違っているのです。

 政党助成金を憲法違反とまで言って責めてきたため今さら手を上げることができないのと思われていると思いますが、ここは侘びをいれ政党助成金をもらうべきです。(得意分野に過信して失敗する典型的な事例です。)

  この間共産党は、全党を挙げて赤旗拡大を行っています。ところがすべての力を(議員なども含め)赤旗拡大に注ぎ込むため、党活動が面白くなく、皮肉なことに強大な党の実現どころか、党員は疲れ果て、決定の読了などすべての点で後退し、大阪ダブル選挙の共産党の政策の支離滅裂さなどを見ても明らかなように、政策能力も失せ、政治的力量も落とす結果となり、危機が全面開花する状況になっています。すでに政党としての体をなしておらず崩壊(破産)寸前になっています。その姿が国民にも見えているから票が入らないのです。凋落していく政党を誰も支持しません。やはり選挙は勝ち馬に乗るのです。アメリカの大統領選挙に見えるあのお祭り騒ぎのような運動の中で人を組織していくことが重要です。(赤旗拡大で人を組織するのは根暗です。・・気が重くなります。)

  もう一度、党建設とは何か一から見直し、原点にもどり、「保守との共同」などという幻想を断ち切り、弱者の味方を明確に打出した理論体系の構築を行わない限り、共産党はここ10年以内に消滅の危機を迎えると思います。

  政党助成金を受け取り、お金から開放され、落ち着いて共産党のあり方を一から見直しませんか。くどいですが赤旗拡大を通じた共産党の飛躍の夢はすでに破れています。この方針の誤りを認めない限り共産党の再生はないと思っています。誤りを認め撤退することもイクサでは重要です。それが指導者に求められる資質です。共産党はこの主張に対して敗北主義だとわめき散らすと思いますが、「兵をねぎらい力を養う」、新たな戦いを組織するそれこそが勇気です。それができるのが大将の器です。(政治家というものです。)