大阪秋の陣(府知事選・市長選)の争点




  ◆知事選・市長選の対決軸、論争点は何か?
            共産党は一貫して対立軸を誤っている。
  ◆赤旗と毎日新聞等の論調を比較し共産党の間違いを批判したい。
 一般のマスコミが橋下徹の本質を「独裁」と批判し始めたが、共産党の赤旗には「独裁」という言葉が無い。10月23日赤旗は初めて「独裁」と言う言葉を使ったが、それ以降の記事も「独裁」、「横暴」、「暴走」等の定義付けが混乱している。さらに赤旗、大阪民主新報、候補者ビラでも全く違う。赤旗には「独裁」が現れるが大阪民主新報、候補者ビラには全く現れない。11月5日わたし候補は市長選の撤退を毎日新聞は載せたが、赤旗には載らなかった。さらに6日付けの大阪民主新報では、わたし候補の活躍を伝えている。わたし候補の撤退を共産党は2日に把握しながら、6日付け新聞に活躍を載せる混乱振りは目を覆うばかりだ(11月6日記載)
     赤旗・民新・ビラなど            毎日新聞など
10月16日
大阪
民主新報
6面

市田
書記局長


【見出し】
 暮らしと福祉、営業を守って奮闘
  梅田候補とわたし候補の勝利で
  安全・安心の大阪に
【解説】橋下(ハッシズム)との戦いの位
     置付けがない。(どこでも通用す
     るスローガン)
【中身】
 自分の思いのままに、大阪府と大阪市
を牛耳ろうというもくろみだと厳しく批判し
ました。
 リニア批判の中で、大阪市を解体し税
収を「大阪都」に吸い上げて、巨大開発
を無理矢理進めようととしていると批判。
 「日本の政治で一番重要なのは独裁;だ
と述べた橋下知事に、地方行政や子ども
たちと国民のための教育行政を任せるわ
けにはいかない」と訴えました。

【解説】市田書記局長の講演の内容は、
 若干の弱さがあるものの基本的には
 正しく捉えられている。なぜこれが大阪
 での戦いに生かされていないのか?

2011/10/14
毎日新聞
【見出し】
 維新、「都構想」実現へ幹部選別
 市職員早くも反発と不信
【解説】
 この見出しは、維新の会の本質を突い
たものであり、とりわけ挿絵がまさに橋下
知事の本質を誰にもわかりやすく捉えて
いる。
 毎日新聞は「維新の会」の本質を市民
に判りやすく説明することに力を入れて
いるが、共産党は市田書記局長の発言
以外は、対立軸は鮮明としながらも橋下
「維新の会」の本質を伝える努力を一切
していない。

 
10月16日
大阪
民主新報
1面
【見出し】
ダブル選まで1ヶ月、維新の条例案に
府民も「おかしい」
【解説】何がおかしいかを書くべき。

 梅田章二府知事候補とわたし孝一市
長候補と共に安全・安心・やさしさの大
阪をつくろうと各地で府民との対話・宣
伝に取り組んでいます。
  わたし候補は、「市民の暮らしを守るか
どうかが問われる選挙で必ず勝利を」と
訴え、梅田候補は(中略)「安全・安心の
大阪を一緒に実現しよう」と呼び掛けまし
た。
【解説】6面の市田書記局長は全体を捉え
ているが、ここでの記述は今回の選挙の
争点が全くボケている。
2011/10/16
毎日新聞

【見出し】
 異例の討論会
 平松市長抜き維新VS共産

 橋下知事は「住民にきめ細かなサービ
スを提供するのが大阪都構想」とアピー
ルしたが、渡司氏は「制度をもてあそぶの
でなく、政治の中身を変えることが重要」
と批判した。梅田氏は橋下知事が咲洲
庁舎(旧WTCビル)を購入した後、移転
構想を撤回したことに触れ、「責任を感じ
ていないか」と追求。

 平松氏の動向にも触れ、彼は「大阪市
をつぶそうという人に負けるはずがない。
ぜひ結束を」と訴えた。
【解説】
平松氏の話のほうがピントが合っている。

23年10月21

赤旗
梅田知事実現へ集い
 大阪・富田林 安全安心の府政に
 大阪府民も橋下知事・維新の会の暴走
に気がつき始めている。府民が主人公の
新しい大阪をご一緒に作りましょう。

【解説】あまりにも牧歌的
10月18日
毎日新聞
【見出し】
 平松氏「反独裁」宣言
【記事】
 「独裁なんて大阪に似合いません」
 平松市長は市民との協働による行政
運営をの必要性を主張し、「今の政治に
必要なのは独裁」と発言する橋下知事
との対比を強調した。
 野中氏はあいさつで「今の大阪は地方
自治の最大の危機だ。一人の知事の謝
った発信を市民が聞いていたら、取り返
しのつかないことになる」
【解説】
 ことの本質を突いた発言。


2011/10/19
大阪
日日新聞
前堺市長らが橋下知事痛烈批判
「独裁支配の野望と罠」出版
 木原敬介・前堺市長や前吹田市長らが
メンバーの「大阪の地方自治体を考える
会」が18日「『仮面の騎士』橋下徹 独裁
者の野望と罠を出版した。
【解説】
ここでも独裁という言葉が使われている。
2011/10/22
大阪民主新報
(23日付け)
<寸鉄>
 4年前、知事選への立候補は「2万%な
い」と断言していた橋下徹弁護士を”生”
で初めて見たのは、当の本人の出馬表
明会見。「二転三転していると言われれ
ばそうかも知れない」と苦しい弁明だっ
た。▼その橋下氏が知事になって3年9
ヶ月。橋下知事が平気でウソをつき、話
をすり替える場面を、目の前で体験する
日々でもあった。▼全面撤退を求める声
に、「WTCが駄目ならすべての高層ビル
が駄目ということになる」「府の職員だけ
が安全でいいのか」と知事。ビルのオー
ナとしての自覚がない。知事を辞めるか
ら、もう関係ないのか。
【解説】独裁という言葉は一切表れない。
     ビルのオーナー全く?である。
2011/10/22
朝日
インターネットより
引用
橋下氏と大阪市長選で対決する平松
邦夫市長は22日、橋下知事の辞職を受
けてコメントを出した。
 「知事の重責を任期途中で投げ出す
ことを府民は望んでいたのか。『大阪市
解体!』『大阪都構想』などの政治パワ
ーゲームにあけくれることに府民は期待
しているか」と批判。そのうえで「267万
人の暮らしを預かる首長として、独裁を標
榜(ひょうぼう)する政治家の言動に振り
回されることなく任期を全うし、市民の幸
せを着実にめざしていきたい」などと対決
姿勢を鮮明にした。

 【解説】ここでも「独裁を標榜する政治家」  
      と平松氏は批判
10月22日

赤旗
大阪・淀川
 梅田・わたし候補決意
    国保引き下げ・政治革新を!
 わたし孝一市長候補は、国保料引き上
げの橋下戸徹府知事、差し押さえの平松
邦夫市長、わたしが国保を引き下げる唯
一の市長候補です。
【解説】通常の選挙戦のフレーズ(ダメ)
2011/10/22
毎日夕刊
大阪府議会橋下知事発言
 「やらなければ実行力・決断力がないと
批判され、やればもっと議論しろ、独裁と
批判される。

【解説】橋下氏自身「独裁」と批判されて
    いること自覚している。
2011/10/23
赤旗
13面
ついに現れた「独裁」という言葉

  内容は本文に
10月23日
毎日新聞
平松氏「266万の市を一人でコントロール
できるわけがない言っていた人が、880
万人の府は一人でないとアカンと言う。全
く違うことを平気でおっしゃる」と橋下知事
の発言に触れた。
10月24日
赤旗
  この日は大阪ダブル選の記事は
一切なし
10月24日
毎日新聞
大阪ダブル選
 松井氏、知事選出馬表明

 一面トップ記事
10月25日
赤旗
橋下知事も平松市長も同じ(大見出し)
 梅田・わたし両候補で転換(縦見出し)

 その下の記事
  梅田さんに願いたくそう
10月25日
毎日新聞
倉田氏「支援不可欠」
  出馬に慎重姿勢
   民主と自民、検討開始
10月26日
赤旗
橋下・「維新」独裁政治ノー
 憲法の挑戦に反対
 梅田候補 安心の大阪を!
【解説】
 2回目の「独裁」という言葉が出る。
10月26日
毎日新聞
平松市長恒例の挨拶回り
  維新の会素通り
 教育条例案可決なら辞任
  大阪府教育委員
   対案提出も拒否
10月26日
日本共産党
ビラ
梅田さんわたしさんの勝利で
 大阪を変えよう!!
 住民のいのちとくらしを守る政治へ
【解説】
 このビラでは橋下批判はなく、またWTC
に戻っている。
 


2011/10/27
赤旗
 ”教育独裁条例”許されぬ
 「可決されれば総辞職」
 大阪府教育委員会の見解を見る
◆橋下独裁政治を阻止
 決起集会わたし市長候補が決意
【解説】
 3回目の「独裁」記事
10月27日
毎日新聞
大阪知事選
  倉田氏が出馬表明
   民自支援構図固まる
10月27日
府議団のビ
◆旧WTC批判がメイン
 くらし応援への転換ででこそ大阪は
 元気に
◆首都東京でもくらし悪化
 東京23区の生活保護世帯数のグラフ 
【解説】この記事は馬鹿げている。東京で
 生活保護が増えているから、都構想は
 ダメという指摘は全く科学的でない


10月27日
共産党の地
域新聞
◆安全・安心の街づくりの立場
  橋下徹知事との対決姿勢が全くない。


10月29日
赤旗
橋下氏の横暴ストップ
 大阪で城東区でつどい開く
【解説】
  また横暴になっている。


10月30日
赤旗
赤旗1面トップ
橋下・「維新の会」による独裁政治「ノー」
の審判を
 日本共産党大阪府委員会が共同のよび
かけ
 【解説】
 この呼びかけは全面的に正しい。共産
党も橋下の独裁阻止を最大の課題とした



10月30日
民新



暴走政治と対決

【解説】
 スポーツ紙のような大きな見出し、独裁
ではなく「暴走」になっている。言葉の定義
が全くできていない。


10月31日
赤旗

大阪シンポ 
 橋下知事の横暴に批判
【解説】
  昨日の声が生かされずまた「横暴」に
なっている。


 11月1日
赤旗
橋下独裁許すな 
大阪核新懇アピール
「橋下知事は怖いな」(党活動)


11月5日
赤旗
橋下独裁ノー一緒に

【解説】
 声明の活用が始まった。
 毎日はわたし候補の撤退を伝えている
1月5日
 毎日新聞
共産・渡司氏が撤退
大阪市長選「反維新を結集」
平松氏が「大阪市を独裁から守る」などと表明
渡司氏は「暴走と独裁は見逃すことができない」と批判していた。
【解説】
 毎日新聞も共産党が「暴走」、「独裁」を使っていることを認識している。
平松氏は「独裁から守る」
渡司氏は「見逃すことはできない」
 トーンが一つ落ちている。
11月6日
赤旗
橋下独裁政治の阻止へ渡司氏が立候補
を辞退
平松氏を自主的支援」

【潮流】(朝日の「天声人語」のようなもの)
 橋下氏はごめんの、反ハッシズム戦線。
ハッシズムがはびこれば、21世紀日本版
ファッシズムが興るかも知れないのですか
ら。
【解説】
 この【潮流】の立場は正しい。赤旗に初
めて「ハッシズム」という言葉が現れた。
 共産党は29日の「独裁ノー」の声明発
表の際に、すでに渡司氏の撤退を考えて
いたと思われる。声明は、全ての府民の
共同の訴えなっている。



11月6日
民新
維新の会が住民を”襲う”
橋下流で直撃
  子どもから、高齢者まで
 独自施策を廃止・縮小
2面に渡司候補の街頭演説の写真を掲載

【解説】
 スポーツ紙のような大きな見出しで襲う
を使っている。政治権力の戦いを行ってい
るのに相変わらず個別政策の戦いを仕掛
けている。
  この時点で渡司候補の活動を伝えるの
は不思議だ。



 以上が赤旗毎日新聞を軸としながら、大阪民主新報、候補者ビラ、府政報告等の論調を時系列に並べた物であ
る。この経過の中で一番不思議なのは、共産党は「独裁」と言う言葉を使うことをためらっている。とりわけ大阪民
主新報には、独裁批判は現れない。候補者ビラにも「独裁」は現れず、橋下氏への攻撃はもっぱら咲洲の旧WTCの
批判が占めている。不可思議な政党だ。
 とりわけ、10月29日の大阪府委員会の「共同の呼びかけ」以降も「独裁」を避けて、「暴走」や「横暴」を使う赤旗
や、大阪民主新報の報道姿勢には疑問に思う。さらに候補者ビラは「安全・安心の街づくり」から脱却できず未だに
それをまき続けている。(これは沢山刷ってしまったから仕方が無いと認めても)、11月4日赤旗折込のビラ、梅田
章二来る 11月5日(土)大阪駅前のビラのも、橋下批判はまるで無く、「防災や原発どうする?」というビラはあま
りにもピンボケだ。
  共産党はどうなったのか、もう政治組織としての力量を持ちえなくなったのか、なんとも悲しい現実である。